大河ドラマ「八重の桜」がはじまった。昨年の「平清盛」も、世間で言われるほど悪くないというか、わしとしては面白かったと思っているのじゃが、今回の大河は「幕末会津もの」ということで、佐幕派のひとりとして、胸躍らせてテレビの前に正座待機した次第。
第1話は「ならぬことはならぬ」、75分の拡大バージョンじゃった。この第1話のタイトルからして、もう今年の大河の主題がみえてくる感じがして、佐幕派としてはドキドキしてしまうのじゃよ。
そしてオープニングでは戊辰戦争を日本の南北戦争と位置づけるかのような演出。このあたりのことは、いずれきっちりと描いてくれるのじゃろうか。鶴ヶ城攻防戦の映像もど迫力で、NHKさんの本気度がわかるのう。「お城は渡さねぇ」とライフル銃を構える八重殿をみるだけで、もうテンション上がりまくりじゃったよ。
初回放送ということで、今回は時代背景や登場人物がざっくりと紹介されていく。
主人公の山本八重はまだ子役。後に会津藩を背負って立つ山川浩や、斎藤一と結婚する時尾も子役で登場した。それにしても、大河ドラマの子役たちの名演技には、いつも感心させられるのう。
「龍馬伝」から続く、プログレッシブカメラによる映画風の画面は、質実剛健で重厚な会津藩の雰囲気を醸し出していて、いい感じの仕上がりになっているように感じたが、いかがかのう?
圧巻だったのは綾野剛さん演じる松平容保公。これはもう、容保公そのまんまではないか! かつて日本テレビの「白虎隊」で風間杜夫さんが容保公を好演していたけれど、この大河で綾野剛さんは間違いなく風間容保を超えるじゃろう。なお、「八重の桜」で風間杜夫さんは今回、林権助役で登場しておる。さらには、神保修理を演じた国広富之さんは横山主税、萱野権兵衛を演じた西田敏行さんは西郷頼母役として出演しており、ドラマ「白虎隊」からの脳内転換に苦労するかもしれん。
ただ……西郷頼母役は西田敏行さんでほんとうによいのか。というのも、主要登場人物の成年をみていくと、西田敏行さんは、どうしても違和感があるんじゃよ。
- 山本八重:1845年(弘化2)→綾瀬はるか
- 山川浩:1845年(弘化2) →玉山鉄二
- 松平容保:1835年(天保6)→綾野剛
- 佐川官兵衛:1831年(天保2)→中村獅童
- 吉田寅次郎:1830年(天保元)→小栗旬
- 西郷頼母 1830年(天保元)→西田敏行
- 山本覚馬:1828年(文政11)→西島秀俊
西郷頼母は山本覚馬より年下なんじゃ。こうしてみると、西田敏行さんだけ、突出して年齢が高い感じがせんかのう? 思い切ってもっと若い人を起用したほうがよかったかもしれぬ。もっとも、そんなことにはほとんどの人がとんじゃくしないのかもしれんがね。
ともかく久しぶりに毎週日曜夜が楽しみになる、そんな大河ドラマの登場に、ほんと、興奮している太守なのじゃよ。