そろそろ梅の季節……ということで、鎌倉の梅の名所のひとつといわれる荏柄天神社へ出かけてきた。荏柄天神社は大宰府天満宮、北野天満宮とならんで三天神社とよばれている。祭神はもちろん菅原道真じゃ。
治承4年(1180)、源頼朝公が鎌倉幕府の鬼門の守護神として社殿を造立し、以後、幕府の尊社として篤く崇敬されてきた。
菅原道真は宇多天皇に重用されて寛平の治を支えた一人。醍醐天皇のときには右大臣にまで昇ったが、左大臣藤原時平の讒言にあって大宰府へ左遷されてしまう。
太宰府へと旅立つときに、愛する妻子との別れを惜しんで詠んだ歌。
東風吹かばにほいおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ
延喜3年(903)2月25日、道真は太宰府で没。このとき、庭の梅は、京の都から一晩にして道真が住む屋敷の庭へ飛んできたという逸話が残されている。
その後、都では異変が相次ぎ、道真の怨霊として恐れられたことは有名じゃ。このことについては、機会があればまた書こうと思う。