NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」が大好評のうちに最終回を迎えた。毎回、杉浦アナの「〜に、また新しい朝がやってまいりました」という語りではじまるこのドラマ。わし、朝ドラは「ゲゲゲ」にしろ「あまちゃん」にしろ、あんまり見てこなかったんじゃが、「あさが来た」だけは毎日楽しみにしておったので、いまは軽いドラマロス状態じゃよ。
ヒロインの波瑠さん演じるヒロインの白岡あさは、「一代の女傑」といわれた明治の女性実業家とよばれた広岡浅子がモデル。今世紀の朝ドラ史上で最高視聴率を叩き出す人気ぶりじゃったらしい。
もともと「あさが来た」をみるようになったきっかけは、山本耕史さんが土方歳三役で出てきたということを聞いたからで、どうせみるのなら、とNHKオンデマンドを契約して第1話からみはじめたところ、すっかりはまってしまったというわけじゃ。AKB48が歌う「365日の紙飛行機」も元気をもらえたし、なにより宮﨑あおいさん演じる健気なお姉ちゃん・はつさんのことが心配じゃったからな。
「あさが来た」については、ネット上には賛否いろいろな感想があるが、わしは素直に感動したし、ときどきホロっときたけどな。炭鉱経営や銀行業、生命保険業、そして日本初の女子大学校設立と、女だてらに新しい世界に挑戦していくあさには、爽快感すら感じたぞ。
ディーン・フジオカさん演じる五代友厚が、あさのことを率先して危険な海中に飛び込んで、獲物をつかまえてくる「ファースト・ペンギン」だと讃えていたシーンも印象的じゃったよ。ハイリスクハイリターンのファースト・ペンギンと、ローリスクローリターンのセカンド・ペンギン。どちらを選ぶかは人次第じゃが、できればリスクはさけたいもの。じゃが、「これはどうしてもやらなければならない」という使命感のようなものがあれば、人はファーストペンギンになれるんじゃないかな、なんて思ったりしてね。
もっとも広岡浅子については、わし、名前くらいしか知らんかったが、じっさいの広岡浅子は白岡あさとは違って、やわらかい心だなんだとヤワな話をするお人ではなく、尼将軍・北条政子さんも「びっくりぽん!」な苛烈な女性だったようじゃ。
「九度転んでも十度起き上がれば、前の九度の転倒は消滅して、最後の勝利を得るものである。斯くの如く、転んで起き上がって歩くのでなければ、本当にしっかりした歩みではない。そしてすべての迫害四囲の習慣、失敗など、これらの万難を排して得た月桂冠は、真の光輝ある勝利者の頭上にのみかざされるのである」
晩年の浅子(大同生命の誕生とその後) - 広岡浅子の生涯 | 大同生命の源流