旅先から帰って来たら、PRプランナー第3次試験の合格通知が届いていた。これで、わしも晴れて「PRプランナー」と名刺に刷れるようになったというわけじゃ。もっとも民間の認定資格だし、給料が上がるとか再就職に有利だとか、そうした直接的なメリットはあまりなさそうじゃが、それでも「合格」というのは気分がよいもんじゃな。
PRプランナー3次試験について
今回のPRプランナー3次試験は、185名が受験して86名が合格、合格率46.5%とのこと。例年の合格率は60%くらいなので、今回はやや出題が難しかったといえるのかもしれん。
3次試験では、じっさいに「課題A:ニュースリリースの作成」と「課題B:広報・PR計画の立案」という2つの課題に取り組む。試験時間は3時間。課題はUSBで配布され、そこに与件が提示されているので、パソコン(Word / Excel / PowerPoint )で回答を作成し、そのUSBで提出する。1次2次のマークシートとはちがって、それなりの実務経験が問われる出題といえるじゃろう。
ということで、ここからは「PRプランナー3次試験合格体験記」のはじまりじゃ。これから受験する人の参考になれば幸いかなと。ただし、この内容は合格を保証するものではないので、ねんのため。
ニュースリリースの作成
今回の「ニュースリリースの作成」では、 《爆発事故で停止していた工場の操業を再開するにあたって、ニュースリリースを書け》というものじゃった。思いのほか、大きい爆発事故じゃったようで、従業員に負傷者も出ているし、周辺の山や家屋も燃やしてしまったらしい。架空の試験問題とはいえ、この会社の広報さんはたいへんじゃろうなとw ちなみに過去の試験では、新商品発売や事業、サービスの開始といったマーケティング系のリリースばかりが出題されていたから、今回はちょっと変化球といえるかもしれんな。
じゃが、リリースの基本型にかわりはない。というか、この試験で求められているのは超オーソドックスなスタイルのはず。ポイントは協会が薦める「逆三角形」型というやつ。報道関係各位、日付、社名とお決まりのものを書いたら、見出し、5W1Hを入れ込んだリードを決める。あとは詳しめの本文を入れて、会社、工場概要とか補足情報を問題用紙からコピペ。A4で2枚にまとめて、一番最後に問合せ先を書いたら完成じゃ。
まあ、ふだんからリリースを書いている人ならこの課題は難しいものではないじゃろう。なので、この課題は45分以内にさっさと終わらせ、つぎの広報・PR計画立案に着手する。これが肝心じゃな。
広報・PR計画の立案
こちらは「マーケティング課題」と「コーポレート課題」のお題が出るので、どちらかを選んでやればよい。今回の「マーケティング課題」は、《ある自治体の特産品(はっさく)を活用した観光PRプランを提出せよ》、「コーポレート課題」は《業績不振の電機メーカーの事業再建計画発表にあたり広報プランを作成せよ》というものじゃった。
さて、どっちを選ぶか。わしは当初、「マーケティング課題」を選択するつもりでおった。ふだんの仕事もそっちのほうが多いからな。じゃが、両方の与件をみたとき、「今回はコーポレート課題のほうがやりやすそう」と思って方針転換。理由はわし、柑橘類があまり好きではないからw 商品に愛を感じられないので、PR施策が思いつかないと判断したんじゃよ。
一般的には「マーケティング課題」を選ぶ人が多いようで、帰りに仲良くなった受験者に聞いたら、みんなそっちをやっていた。じゃが、今回合格したからいうわけじゃないが、じつは「コーポレート課題」のほうがやりやすいのではないか、とも思う。というのも、マーケティングPRは、どうしても具体的な施策のアイデア出しに頭を使うし、予算もある程度、考えなければならない。じっさいには、短時間での試験で限られた情報の範囲で、玄人を唸らせるような施策やアイデアである必要はないじゃろうが、やっぱりこだわってしまいがち。その点、「コーポレート課題」は、施策やツールのパターンは限られているし、メディアとか株主、投資家、金融機関、消費者、社員などなど、ステークホルダー別にオーソドックスな施策を提示すれば、それでよいのではないかと。マーケティング課題とちがって、予算の策定も楽チンだしな。IRとかの実務知識が問われる課題でなければ、いざとなればある程度書いて、「IR部門と連携して***を実施する」みたいに逃げちゃう手もある。上場企業勤めじゃないからIRの細かいことわからんから、じっさいにそうしたしw まあ、このあたりは人それぞれじゃし、ふだんやっていること、やりやすいものを選べばよいんじゃろう。わしはたまたま受かったから、あくまでも参考ということで。
いずれにせよ、時間はいっぱいいっぱいになるのでコピペもしながら手際よくというのがいちばん大事。それと、過去問をベースに、どんなお題が出てもいいようにテンプレートだけは自分なりに用意しておくべきじゃろう。本番はハコの中をひたすら埋めて完成させる、そんなイメージかな。そういうのをなんにも用意してないと、たぶん詰むね。
その他、なんとなく感じたこととか対策おまけ
ということで、どうにかこうにか合格点に達したようじゃが、最後に備忘録も兼ねて、かんたんにポイントをまとめておくと……
- とにかく時間配分がすべて。リリース45分、残りはすべて広報・PR計画に時間を使う
- 試験が始まると、みんな、すごい音を立てて一斉にキーボードをたたきだすが、うろたえてはいけない
- 「あ、もうリリース終わっている!」とか、となりの人の進捗とかが目に入っても、気にしてはいけない。あくまでも自分のペースでやるべし
- 自分の中でテンプレをつくっておくべし。試行錯誤のロスがもったいない
- 修辞とかデザインとかレイアウトとかにこだわりすぎない。わしはひたすらワードでずらずら書いた。表組みとかもなし
- 広報・PRプランの歯抜け状態、途中で終わっているというのは、ほぼアウト。多少稚拙でも最後まで完成させることは必須
- WindowsパソコンのUSBの抜き差しとか、文字入力モードの切り替えくらいは自分でできるようにしておくこと(いちおう、PC操作のサポートの人はいるが)
- どうでもよいことじゃが、お水が配られたw
- キラキラ広報女子がいてもうろたえないこと(となりの人がまさにそれじゃった)
- 遅刻には厳しい。不注意で遅れると部屋にすら入れてもらえない(らしい)
- じつは最大の難関は2次試験の「時事問題」じゃったかも。
まあ、これ以外に気づいたことがあったら、また追記しようかと思う。
閑話休題……
試験に落ちたらかっこう悪い……そんなことを考えてしまって、なかなか受験に踏ん切りがつかなかったわしじゃったが、いまは受けてよかったなと思う。合格したからいうわけじゃないぞ。今回、受験するにあたって、いちおうテキストは読んだし、3次試験対策もした(大してやったわけではないが)。そのおかげで、この約1年の間に、これまで徒手空拳、自己流でやってきた広報の仕事の棚卸しと整理ができたのは、ほんとうによかったと思っておる。やはり具体的な目標がないと、継続的な勉強ってできんもんじゃよ。それに試験の後、たまたま知り合えたPR会社の人とかとも仲良くなれたしな。
まあ、偉そうにずらずら書いてきたが、これからPRプランナーの試験を受けようか、と考えている人に、いささかでもお役に立てば幸いじゃ。
暗愚よ、うつけ者よといわれたわしでも受かったんじゃから、過度な心配はいらんよ。