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うつつなき太守(なりきりです)による歴ヲタの備忘録

映画「本能寺ホテル」をみてきたので感想を。ネタバレちょびっとあり

海賊よりこっちだろ!と思い、映画「本能寺ホテル」をみてきたので、若干の感想を書いておく。ネタバレもあるかもしれないかな。といってもこの映画にネタバレもなんもないような気がするけど。

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公式サイトにあったストーリー紹介はこちら。

倉本繭子(綾瀬はるか)は、ふとしたきっかけで京都の路地裏に佇むレトロな宿“本能寺ホテル”に 宿泊する事に。なんとそこは戦国時代に繋がる不思議なホテルだった。一方、時は1582年。 天下統一を目前に控えていた織田信長堤真一)は森蘭丸濱田岳)ら少数の家臣団と 共に京都・本能寺に滞在している。冷酷非道なお館様を前に、戦々恐々とした日々を 過ごす家臣たち。そんな時、見慣れない格好の女(繭子)が一人、寺に迷い込んでくる。 その女は、400年後の世界からやってきた現代人。繭子は自身も訳のわからぬまま、 信長と京都の町を見物するなど、交流を深める中で、次第に信長の人間性に惹かれていく。 やがて繭子は、1582年の迷い込んだその日が「本能寺の変」が起きる前日である事に気づき。

映画「本能寺ホテル」公式サイト

 「プリンセストヨトミ」の万城目学さんが、2年前から携わっていたのにシナリオ全ボツくらった、にもかかわらず重要なフレーズが小ネタにそのまま使われていた、そこで速攻抗議したがそのまま公開された、というのはこの映画のことじゃろう。それが具体的になんなのかはわからんかったが、わしとしては「プリンセストヨトミ」のほうが着想という点でも楽しめたかなと思う。

信長にしてみれば、最近はシェフやら自分にそっくりな高校生やらがあらわれたりしていたから、タイムスリップなれしていたのかもしれん。いまさらOLひとり未来からやってきても、そんなに驚くこともなかったようじゃし、それは鑑賞する側も同じこと。ストーリーはきわめて直球勝負である。

じゃが、綾瀬はるかに「信長さんの家臣のみなさんは、楽しくなさそう」と指摘されたり、ふたりで織田家の風習である「でえと」をしたり、はたまた家臣と「ぶりぶりぎっちょう」という遊びをしているうちに、自分が天下布武を志した若き日の初心を思い出す。

思い切りネタバレになるが、最終的に綾瀬はるかに自らの運命を聞かされても、信長はじたばたせず、従容として死を受け入れる。「私、歴史変えちゃった…」とつぶやく綾瀬はるかに、「歴史は変わらんよ」といわんばかりに。このあたりは、トントントントン日野の2トン、スーパーサラリーマンの堤真一さんが、なかなかの好演じゃったぞ。

ちなみに明智光秀謀反の原因は怨恨。信長に腐った料理の件で怒鳴られていたしな。また、光秀謀反を事前に聞いていた信長は、柴田勝家ではなく羽柴秀吉に文を書く。秀吉ならみんなが笑いあえる世の中をつくってくれる。そう考えたようじゃ。もっとも天下人になった秀吉は耄碌して信長の期待を裏切ってしまうわけじゃが、そこはこの映画とは関係なし。ともかくも、これが秀吉の中国大返しついての謎解きじゃ。なお、この映画では嫡男・信忠の存在はほぼ消えていたようである。

いっぽう、綾瀬はるかは本能寺ホテルのエレベータと金平糖を駆使して現代と戦国を行き来する。やはり信長との「でえと」を通じて「自分探し」をするわけじゃ。なんとまあ、ぜいたくな「自分探し」じゃが、綾瀬はるかの天然キャラと、いろんなところがゆさゆさ揺れる演技で、これまた男衆にら十分に楽しめるのではないかな。

いちばん胸熱だったのは、綾瀬はるかが現代に帰ってきたあと、鴨川に座り込んで信長のことを思い出す場面。馬上で笑みを浮かべて疾駆する信長が向かう川向こうの敵は、なんと「三盛亀甲紋」、浅井長政ではないか! 桶狭間ではなく、あえて姉川の戦いを選んだ監督の演出意図を聞いてみたいぞ。よもや、たまたまではないじゃろう。

他に感想あったじゃろうか……それなりに面白かったけど、あとはとくにないので今日はこのへんで。なお、わしは公開初日の夕方のテラモでみたけれど、お客さんは半分くらいじゃったかな。