湘南ベルマーレの2017シーズンはJ2優勝で1年でJ1復帰という素晴らしい結果に終わった。残念ながら天皇杯はすでに敗退してしまっているため、もっぱらの関心事はストーブリーグのみだけなんじゃが、これについてはフロントを信じてお任せする他はなし。ということで、今日はベルマーレの新スタジアム問題について、書かせてもらおうと思う。
来シーズン、湘南ベルマーレのホームタウンは既存の7市3町(厚木市、伊勢原市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、平塚市、藤沢市、大磯町、寒川町、二宮町)に加え、新たに鎌倉市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町の2市8町が増えることが発表されている。
わが街、鎌倉市が加わったことは、わしとしては何より喜ばしいことなのじゃ。できればこの勢いで、逗子市、葉山町もホームタウンにとりこんでほしいと思っているわけじゃが……さらに気になるのが、「深沢地域にベルマーレの新スタジアムが建設されるのでは?」という噂じゃ。
というのも、三選を果たした鎌倉市長の松尾崇氏は、ご自身の公式Webサイトで、こんな公約を掲げていたからじゃ。
深沢整備事業用地というのは、鎌倉市がJR大船工場跡地を中心とした周辺地域の開発用地のことじゃ。面積はかなり広大で、東京ドーム7個分もといわれておる。かつてこのあたりは洲崎と呼ばれ、新田義貞が鎌倉に攻め込んで来たときには大きな戦があり、執権・赤橋守時が戦死している。泣塔という祟りを恐れられている不思議な五輪塔もあったりする。
再開発にあたっては、以前からゴミ処理場ができるとか、大型商業施設が誘致されるとか、いろいろといわれてきたが、実際の計画はまだ白紙らしい。そんな中、松尾市長は老朽化した鎌倉市庁舎を深沢に移転することを考え、その一環として、スタジアムを建設しようということのようじゃ。
こうした市長の発表とタイミングを合わせるかのような鎌倉市がホームタウンになるというニュース。鎌倉在住のサポーターとしては単なる偶然というふうには、やはり思えないんじゃよ。
松尾市長は移転にあたってはPFI方式など民間資金の活用を提示。財政負担をかけない事業スキームですすめるとしている。もちろん、そんな簡単にいくわけないのじゃが、ただ、このあたりの考え方のニュアンスは、ベルマーレの真壁潔会長が言ってることと符合する。
で、実際のところどうなんじゃ?ということについては、よくわからん。市長はそう言ってるが、実現に向けた課題は山積のはず。たとえば、面積はたしかに十分じゃが、2万人規模のスタジアムを支える交通インフラとして、湘南モノレールの湘南深沢駅はあまりにも貧弱。JR村岡新駅ができれば改善されるじゃろうが、これもまたお金の問題で計画は未だ具体化せず。
深沢の道路事情もよろしくない。大船、藤沢、鎌倉あたりからシャトルバス出しても道は狭いしサッカーの試合となれば交通渋滞は必至。それよりなにより、サッカーに関心がない近隣住民が賛成するかというと、ここもかなり微妙な気がする。もちろん、わしは大歓迎じゃよ。ちょっと頑張ればチャリでも行ける場所じゃしw
それにベルマーレを支えてきた平塚市民の感情がやはり気になる。いきなり鎌倉がホームタウンでござい!と入ってきてスタジアム誘致といわれても、「それってどうよ!」となる気持ちはわかる。それに、これだけ広域のホームタウンで一番東の端っこという立地には、小田原など県西部のサポーターには抵抗があるじゃろう(逆も然りなんじゃがな)。そういうことも考えると、わしとしては、これ以上のコメントは差し控えたいと思う。
折しも、湘南ベルマーレの新スタジアム建設に向けた第三者委員会「湘南スタジアム研究会」の第6回会合が開かれ、候補地が11カ所から5カ所に絞り込まれたという。この5カ所に深沢が入っているのかわからぬが、はっきりといえることは、新スタジアムはどうしても必要だということ。「深沢なら要らね」「応援やめる」というのは、少なくとも違うと思う。
最終的にどうなるのか、わしにはわからんが、現状維持は退歩のはじまり。進化、変化しなければ生き残れない。着実にすすめていってほしいと切に願う。