BSで再放送中の大河ドラマ「太平記」の第2回は「芽生え」。なんの芽生えか? もちろん足利高氏の恋ということじゃろうが、時代の大きなうねりのなか、いろいろなものがむくむくと…
赤橋登子さん登場
母・清子のお使いで赤橋守時の屋敷を訪ねた高氏は、登子と初めて出会う。これはもちろん、母が仕組んだ見合いじゃろう。それにしても、あれほど「北条憎し」で「こんな鎌倉あああああ!」だったにもかかわらず、ひとめぼれとはwww
赤橋氏の始祖は北条重時の次男北条長時。赤橋家は、北条の中で得宗家に次ぐ高い家格をもち、得宗家の当主以外では唯一、将軍を烏帽子親として元服する家柄じゃ。登子の兄・守時は将軍・守邦親王から諱をもらっており、最後の執権もつとめている。高氏が登子を嫁にするということは、足利と北条の絆はより深まるというわけじゃ。
日野俊基も登場
この回では、後醍醐天皇の側近・日野俊基が登場した。時宗の聖と長崎円喜の家臣のいざこざに、高氏は自らまきこまれていくのじゃが、手勢に囲まれてピンチになった高氏を救うのが、山伏姿の日野俊基という設定じゃ。
長崎円喜の横暴に怒り心頭な高氏に、俊基は京のみやこについて吹き込んでいく。
「鎌倉も朽ち果てた、ただの木切れじゃ」
「京のみやこはいささか違う。地に花を咲かせ、日を昇らせ給うものをご覧になりたくば、京へお出でなされませ。神仏の霊験を求めて諸国をめぐり歩いておりますれば、よくわかりまする。京のみやこはすべてが鎌倉とは違いまする。新しい良いものが花のように咲き始めておりまする。ぜひ、京へ」
まあ、坂東の田舎武者は京への憧れがあるからな。高氏も心が動くのはしかたがないじゃろうよ。ちなみに日野俊基についてはこちらを読んでくりゃれ。
話は続く。高氏が足利屋敷に帰ると、すでに高氏と長崎家の武士達とのいざこざが伝わっていた。貞氏に釈明する高氏は、もう完全におこ!
「父上は、長崎ごときに生涯頭を下げていかれるおつもりですか。足利が源氏、北条が平氏などと意地を張る気は毛頭ありませぬ。さりながら、己を捻じ曲げ、嫁まで迎え、罪人を罪なき者のようにへつろうてまで、この足利家を存えようとは思いませぬ! さほどまでしてこのような鎌倉に居たいとは思いませぬ!」
「そうか。ならば、出ていけ」
呆気にとられる高氏。貞氏としては北条とは事を構えたくないからな。かくして高氏は鎌倉を離れるわけじゃが、これは「鎌倉以外の世界をみてこい」という貞氏の深慮もあったじゃろう。貞氏、食えぬやつじゃが、なかなかよいパパじゃ。
長崎円喜「足利の稲穂はなかなか刈りとれぬわ」
貞氏は長崎円喜・高資父子に面会し、高氏を鎌倉から追放したとして、その不始末を詫びにいく。
円喜を演じるのはフランキー堺さん、高資を演じるのは西岡徳馬さん。それにしても、悪顔じゃ。
「何も、そこまでしなくとも…」
「いやいや、そうでなければこの讃岐(貞氏)の気が済みませぬ。どうか、お許しくだされ」
円喜もたぬきじゃが、貞氏もまたたぬきじゃ。
「足利の稲穂はなかなか刈りとれぬわ」
「父上」
「此度はおもしろいと思うたがの。いずれ刈りとってみせようぞ!」
もし貞氏が謝罪に来なかったら、長崎らはどうするつもりだったんじゃろうのう。それにしても円喜は貫禄がある。高資はエラそうにしているだけの小者じゃがな。
まあ、この2人については、以前に書いたこちらの記事を読んでほしい。
ということで、高氏は右馬介とともに鎌倉を出る。表向きは伊勢をめざしているが、行く先は京じゃ。日野俊基にいろいろふきこまれたしな。
途中で、高氏は旅芸人の花夜叉一座と遭遇する。ここで登場するのが、柳葉敏郎さん演じるましらの石、宮沢りえさん演じる藤夜叉なんじゃが……
わしは、ましらの石のキャラが好きになれないのじゃ。やたらとイキるし、「矢よりも速い俊足」って、ありえんじゃろ。ましらの石、このあと、どんな役回りをするのかすら、わし、覚えていないんじゃよ。
ということで、きょうはおしまい。いつも以上に中身がプアで済まぬ。