令和3年(2022)は寅年ということなので、寅年生まれの歴史人物、戦国武将、幕末英傑、などなどをまとめておくぞ。
- この世をばわが世とぞ思ふ望月の…藤原道長
- 寅年生まれの戦国武将
- 寅年生まれの幕末英傑
- 維新の元勲・大久保利通
- 新選組 沖田総司
- 寅年生まれの政治家
- 寅年生まれの文化人
- 寅年生まれの芸能人
- 寅年生まれのスポーツ選手
この世をばわが世とぞ思ふ望月の…藤原道長
まずトップバッターは「御堂関白」こと藤原道長。康保3年(966)丙寅の生まれじゃ。道長は次々と娘を宮中に入れ、外孫が登位することによって不動の地位を得ることができたが、政治家としてとくに優れた人物だったとは思えない。じゃが、国内の政情は安定しており、摂関家の勢威は強固であり、「この世をばわが世とぞ思ふ望月(もちづき)の欠けたることもなしと思へば」と、藤原氏全盛期の再頂点に立つことができたといってよいじゃろう。
寅年生まれの戦国武将
軍神 上杉謙信
寅年生まれの戦国武将としては、まずは軍神・上杉謙信をあげねばなるまい。享禄3年(1530)、庚寅の生まれじゃ。自らを「毘沙門天の生まれ変わり」と称し、武田信玄、北条氏康、織田信長らと戦い抜いたする「義の武将」じゃ。謙信は生涯不犯(妻帯禁制)を貫いたため、子供は全員(上杉景勝、上杉景虎、畠山義春、国清)養子だったんじゃよ。
キリシタン大名 大友宗麟
豊後のキリシタン大名、大友宗麟も謙信と同じ享禄3年(1530)生まれの寅年じゃ。最盛期には九州6か国を支配して版図を拡げたが、薩摩から北上した島津義久に敗れ、晩年には豊臣秀吉傘下の一大名となっておる。
東照大権現 徳川家康
そして、忘れてはいけないのが徳川家康じゃ。家康は天文11年(1542)の壬寅の生まれ。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず…」は家康の遺訓として有名じゃな。日光東照宮には、家康の生まれ年の干支に因んで虎の彫刻が施されたり虎像が奉納されておるぞ。
寅年生まれの幕末英傑
二十一回猛士・吉田松陰(寅次郎)
まずは、なんといっても吉田松陰が文政13年(1830)の庚寅生まれじゃ。通称は寅次郎、諱は矩方、字は義卿、号は松陰の他、二十一回猛士がある。
「 文に曰く、二十一回猛子と、忽ち覚(さ)む。因て思ふに杉は二十一の象あり。吉田の字も亦二十一回の象あり。我が名は寅、寅は虎に属す。虎の特は猛なり」
二十一回猛子の「二十一」は杉の字を分解して「十」と「八」と「三」で合計21、「吉田」は士と十で21ということらしい。
維新の元勲・大久保利通
吉田松陰の同級生が大久保利通。やはり文政13年(1830)生まれの寅年じゃ。通称は正助、一蔵。利通は諱じゃ。西郷隆盛、木戸孝允と並んで「維新の三傑」と称され、明治新政府では初代内務卿として、内閣制度発足前の太政官の事実上の首相として活躍した。
ちなみに他の同級生には、会津藩家老・西郷頼母、土佐藩士・佐々木高行がおるぞ。
新選組 沖田総司
新選組の沖田総司も天保13年(1842)壬寅生まれじゃよ。諱は春政、後に房良(かねよし)、幼名は宗次郎。新選組一番隊組長で撃剣師範として幕末京都で剣を振るい、勤皇の志士たちを震え上がらせた。結核を患い、戦線を離脱し、最後まで近藤や土方と戦えなかったことは、さぞ心残りであったじゃろう。
寅年生まれの政治家
中国革命の父 孫文
孫文も1866年、丙寅の生まれじゃよ。辛亥革命の指導者で中国国民党の創始者。「民族主義」「民権主義」「民生主義」のいわゆる「三民主義」を唱え、衰亡の危機に瀕した中国を救うため尽力した「中国革命の父」じゃよ。
ワンマン宰相 吉田茂
吉田茂も明治11年(1878)の戊寅生まれじゃ。「ワンマン宰相」と呼ばれた吉田は、敗戦後の占領下から独立回復期にかけて5次、計7年もの間、首相をつとめ、戦後日本政治の方向を定めたといってよいじゃろう。
ちなみに、麻生太郎元総理は、吉田茂、さらには大久保利通の血を受け継いでおるぞ。
寅年生まれの文化人
君死にたまふことなかれ……与謝野晶子
吉田茂の同級生が歌人の与謝野晶子で、やはり明治11年(1878)の生まれじゃ。夫は同じく歌人の与謝野鉄幹。 雑誌『明星』に短歌を発表しロマン主義文学の中心的人物となった。日露戦争の旅順攻囲戦に従軍した弟を嘆いて発表した『君死にたまふことなかれ』は、つとに有名じゃな。
いい質問ですねぇ……池上彰
「いい質問ですねぇ」でおなじみ、ジャーナリストの池上彰さんは昭和25年(1950)庚寅の生まれじゃ。出身は長野県松本市。NHKで社会部記者やニュースキャスターを歴任。現在は、フリーランスとして活動しているぞ。
iPS細胞の山中伸弥
京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥さんも昭和37年(1962)の壬寅生まれじゃ。出身は大阪府枚岡市(現・東大阪市枚岡地区)。2012年のノーベル生理学・医学賞をジョン・ガードンと共同受賞した。大学時代はラグビー選手、現在もマラソンが趣味という、なかなかのスポーツマンだそうじゃな。
脳科学者 茂木健一郎
脳科学者の茂木健一郎さんも昭和37年(1962)の壬寅生まれじゃ。東京都中野区出身で埼玉県春日部市育ち。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードに、脳と心の関係について研究をし、本もたくさん出している。テレビ番組にもよく登場するもじゃもじゃあたまの人じゃな。
寅年生まれの芸能人
神田沙也加、神田正輝、松田聖子
昨年末、訃報が飛び込んできた神田沙也加さんも寅年だったようじゃ。昭和61年(1986)の丙寅の生まれじゃが、なんと、お父さんの神田正輝さん(1950)、お母さんの松田聖子さん(1962)も寅年なんじゃな。神田沙也加さん、心からご冥福をお祈りいたします。
快なり!徳川慶喜を好演した草彅剛
元SMAPで俳優の草彅剛さんも昭和49年(1979)の甲寅生まれじゃ。昨年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」で徳川慶喜を好演していたのがとにかく印象に残っておるぞ。草彅さんが演じたことで、慶喜人気はずいぶんと上がったのではないかのう。
そして、宮脇咲良たんも
元HKT48、元IZ*ONEの宮脇咲良たんも平成10年(1998)戊寅の生まれじゃよ。「希望的リフレイン」での渡辺麻友さんとのWセンターはかわいかったのう。現在は、化粧品ブランドのプロデュースもしており、芸能だけでなく、マルチナ活躍が期待されているさくらたんじゃよ。
そして、広瀬すずちゃんも!
女優の広瀬すずさんも宮脇咲良たんと同級生、平成10年(1998)戊寅の生まれじゃ。姉のアリスさんの縁で芸能界入り。「ミスセブンティーン2012」のグランプリを受賞し、同誌専属モデルとして芸能界デビューし、今では押しも押されぬ大女優への道をまっしぐら。がんばってほしいものじゃな。
ちなみに寅年生まれの芸能人はほかに、梅宮辰夫さん(1938)、綾小路きみまろさん(1950)、藤井フミヤさん(1962)、有吉弘行さん(1974)、亀梨和也さん(1986)、山崎育三郎(1986)さん、北川景子さん(1986)、イモトアヤコさん(1986)、AKB48・向井地美音さん(1998)などもおるぞ。
寅年生まれのスポーツ選手
まずは、ケイスケ・ホンダ!
さいごに、スポーツ選手。まずはこの人、世界の本田圭佑! 昭和61年(1986)の丙寅生まれ。日本だけでなく、ロシア、オランダ、イタリア、リトアニア、メキシコ、ブラジルと、各国のプロリーグでゴールを決めた男。日本代表では日本人初となるW杯3大会連続ゴールを決めている。カンボジア代表GM、監督を務めた経験もあるし、自らサッカークラブのオーナーを務めたり、投資家としても活躍するなど、スケールのでかいケイスケホンダ。今後の活躍にも注目じゃよ。
フィギュアスケート 髙橋大輔
フィギュアの「大ちゃん」こと髙橋大輔選手もケイスケホンダと同じ昭和61年(1986)の丙寅生まれ。ソチ五輪後に引退するが、2018年には現役復帰。2020年にアイスダンスへ転向して、がんばっておられるぞ。
他に寅年生まれのスポーツ選手としては、松井秀喜さん(元巨人、ニューヨークヤンキース他、1974)、長友佑都選手(FC東京、1986)、ダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス、1986)、山本由伸投手(オリックス・バファローズ、1998)、八村塁選手(NBAワシントン・ウィザース、1998) などもおるぞ。
閑話休題、寅年生まれの人は、社交的だが負けず嫌いで強情なキャラが多いらしい。ほんとうかどうかは知らんが、こうしてみると、そんな気がしないでもないな。
今年の干支の「壬寅」は、厳しい冬を超えて春が芽吹き、生命力に溢れる、そんな年になるという。コロナ禍を克服し、復活の一年になることを、わしも祈っておるぞ。